オランダ   王立選挙法(一部抜粋)

 

第2節 オランダ議会の下院議員、州議会議員、市議会議員の選挙

J章 投票

§ 7. 投票用紙以外の方法による投票

序文

1965年以来、選挙法の中で、投票用紙の代わりに投票装置による投票も可能である旨の規定が設けられた。この装置の導入に関しては、市議会において決定されるものとする。投票装置の利用は、1965年以来、徐々に増加してきている。」
 1965年、選挙法改正においては、投票装置が導入される投票所のしくみ、さらに投票方法に関する多くの規定が設けられた。」
 「しかしながら選挙法へのこれらの規定の導入の問題点は、常に法的規定の適用を必要とする新規の技術進歩に伴い、次々と法改正を繰り返せざるを得ない点にある。
 
1965年から現在に至るまで、すでに投票装置の技術は一定の発展を遂げてきた。
 初期の投票装置では、投票の登録を機械的な方法で行っていたが、1974年以来、電子投票装置がそれにとって代わった。
 将来、この分野における技術的発展に伴い、定期的な法改正を行わなくて済むように、選挙法においては、投票用紙以外の方法で行われる投票に関しては、ただ単にいくつかの一般的な規定を設けるにとどめ、その他の、細部の投票技術については、選挙規則で定めるものとした。」(選挙法、1989年9月28日付の補遺、官報423号)
 「これらの選挙規則への委託を行う際には、できるだけ投票用紙による規定と一致した細則を設ける旨の規定を定めておくべきである。当分は、このような状況が継続されるであろうが、最終的には、投票装置による投票が、投票用紙による投票と同様に、選挙法の中に規定化されるであろうことも否定できない。さらに、投票用紙による投票が全く姿を消すことも考えられる。しかしそのような状況はかなり先のことになるであろう。従って、現在、投票に関するこれらの2つの方法が、選挙法の規定の中で同等に扱われていないからといって、投票装置による投票方法が正規なものとして認められていないというわけでは決してない。このことは紛れもない事実である。すなわち投票装置による投票方法が、投票用紙による投票の代替としての役割を法規の中で占めていることは否定できない。しかし、今現在の実際の状況としては、投票用紙が主流であり、投票装置は例外的措置といえる。」(選挙法、1989年9月28日付の補遺、官報423号)

詳しくは、選挙規則第J章の § 3を参照せよ。さらに同条項の解説も参照せよ。

 

J 32条

議会、もしくは権限を委任された市長および助役によって指定された投票所においては、投票用紙以外の方法で投票を行うことができるものとする。その場合、投票用紙の利用に関する本法規の規定は適用されないものとする。

 

J章 § 7の序文を参照せよ。

「議会に対して、投票装置が設置される投票所の指定の任に当てさせることが必要か否かという問題に関しては、選挙管理委員会によって検討がなされた。そしてその結果、投票所の業務内容を大幅に一新させることになるであろう新規の装置の導入の責任に関しては、まず最初に市議会に一任すべきであろう、という結論に達した。従って、議会は、選挙法の新規条項第I 24条(現在はJ 32条)および原則規定にもとづき、投票装置が設置される投票所の指定の権限を、市長および助役に付与することができることになった。署名者は、この計画を実施する権限を持つものとする。」  
 
「市当局は、本条項の前半に規定された者に対し、投票装置導入の権限を付与する。1つの市において、2つの投票形態が可能である限り、市当局は、市全体および、1つもしくはそれ以上の投票地域にこの規定を適用することができる。本条項の後半部分は、もしも投票装置が用いられた場合には、投票用紙の利用について定めた多くの規定が適用されない旨を定めている。それらの規定が適用されるか否かは、規定の内容を見れば明らかなので、特に適用除外の規定を列挙する必要はない。」(1965年11月25日付法規、官報547号)

 

J 33条

1. 投票用紙以外の投票は、枢密院令にもとづいて設けられた細則に従い、内務大臣の認可を得た技術が用いられる場合にのみ行われるものとする。

2. 少なくとも以下の要件を充たした場合にのみ、上記に定められた技術は認可を得られるものとする:

 a. 選挙人がたとえ望まなくとも、投票の秘密は守られなければならない。

 b. 装置を利用することが、利用しない場合と同様の結果をもたらし、さらにその装置に関していえば、選挙人が容易に操作できるものでなければならない。さらにまた故障もしくは不完全な作動の危険性のない技術が提供できなければならない。

 c. 候補者名簿、個々の名簿に付与された番号、さらに政党の指定が、はっきりと明示されていなければならない。

 d. 選挙人が、たった1回のみ投票が行われるようにしなければならない。さらに人為的な誤りを修正することができなければならない。

3.  認可に関して規則を設けることも可能である。

4.  認可に関しては、オランダ官報に掲載されるものとする。

 

J章の § 7の序文を参照せよ。

上記第1項から第3項までに関しては、枢密院令における選挙規則第14条を参照せよ。

また本書の第III章542ページに掲載されている、大臣による「投票装置認可規則」を参照せよ。

「投票用紙および投票箱に関する場合と異なり、投票装置が充たすべき要件を細かく規定することは極めて難しい。従って、内務大臣の認可を得た商標および型式(現在では、これらを技術とよぶ)に限定した装置の利用がなされることになった。認可申請に対する決定を行うに際しては、装置に関する、選挙管理委員会の専門家の意見が大きな役割を果たす。  
 
選挙法の詳細な規定の大半は、選挙権を与えられた選挙人が自由に選挙に参加できるように、法的保護を目的として設けられたものである。これらの法的保護は、投票装置を利用する場合も不可欠である。従って、第I 25条(現在の第J33条)においては、投票装置が充たすべきもっとも基本的な要件が明記されている。すなわち明記された要件のうち、1つもしくはそれ以上の要件が不十分な装置は決して大臣の認可が得られない。一方、大臣は、本条項に規定された以外の要件の不備を理由に、特定な型式(現在は、特定な技術と呼ぶ)の装置に対して認可を保留することも可能である。」(1965年11月25日法規、官報547号)

4項。「与えられた認可がオランダ官報に公表されることにより、市当局は特定の装置が購入に値するか否か確かめることができる。」(1965年11月25日法規、官報547号)

現在、認可されている技術に関しては、本法規に記載されている大臣省令第I、VI、VIII、

XIおよびXII(それぞれp. 541、552、553、555そして556)を参照せよ。

 

J 34

1.    枢密院令の中に、投票用紙以外の投票に関する細則を設けるものとする。これらの細則は、投票用紙による投票に関する本法規の規定とできるだけ一致したものでなければならないものとする。

2. 1項に規定された枢密院令の改正に際しては、これが掲載された官報の発行後、2カ月より以前に発効してはならないものとする。掲載に関しては、オランダ議会の両院に即刻通知するものとする。

 

J § 7の序文を参照せよ。

1項。枢密院令に関しては、選挙規則第J13条および第15 J25条を参照せよ。

2項。この条項は、第N13条と同様、問題の規定であるが、クーチェ改正案の認可に際して付け加えられたものである。

トゥヘラール・ボーナッカー法案(1988〜89年度第II法案20 264、No. 54):

「改正に際しては、オランダ議会に提出される枢密院令により、投票用紙以外の投票に関する規定制定の権限の委託を行うことも可能である。

枢密院令は、その中で選挙規則の一部分に関する規定を定める場合もあるが、あるいはまた選挙規則のためだけに公布される場合もある。さらに改正条項は、一般法規にもとづいて最初に制定された選挙規則には適用されない。」(改正に関する解説)

 

 

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